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ANIPOV


Suns & Moon Laboratory

ANIPOVって何?

自転車のホイールにLEDを搭載して、画像や動画を表示する装置です。

概要

カラーでアニメーション出来る自転車POVが欲しい!という訳で作ってみた。

一時期POV実験キットとして販売していましたが、製品版発売に伴い、現在販売終了しています。

その後もこつこつ作っていたら、2021年10月からTIPSTAR DOME CHIBAで開催されるPIST6のオープニングショー「BIRTH」に採用されました。

TIPSTAR DOME CHIMA:千葉競輪場跡地に建設された250mの木製バンク競技場。千葉市:施設概要(TIPSTAR DOME CHIBA)
PIST6:PIST6は自転車競技法における250競走という種目で、千葉市が行う250競走の呼称。PIST6とは

Q:なんで見えるの?

A:ふふふ、それは残像だ。

物を見たときに、短い時間目に見えたものが残る現象があります。この現象を残像と言います。
LEDは12本の列しかないのですが、LEDの列を速く回転することにより残像のおかげで一つの画像として見ることができます。

(27インチ)23Km/hの時、ホイール回転数は3回転/秒
LEDが12列付いているので、3回転x12列=36Hz
時速23kmで走行した場合、リフレッシュレートは36Hzになります。
※走行速度によってリフレッシュレートは変化します。

参考:POV - Persistence Of Vision

開発動機

自転車を買おうと思う→ネットで自転車探す→LadyAdaのSpokePOV見つける。
http://www.ladyada.net/make/spokepov/
特にパックマンの絵で、前輪がモンスター、後輪がパックマンのGIFアニメ、おおっと思った。
ただ、単色だったのでカラーのを作ろうと。
ついでにアニメーションしたら完璧じゃないかと妄想して開発開始。

写真や動画

2010-05-22,23 Make: Tokyo Meeting05の風景。

gizmag Amazing bike-wheel LED art at Tokyo Make Meeting


2009-11-30 自転車でネギ振り



2011-12-03,04 MTM07にて(撮影:@ぽっけ)



2011-12-03,04 MTM07にて(撮影:@ぽっけ)



2012-01-23 androp「World.Words.Lights.」(from 1st Single(double A-side) "World.Words.Lights/You")

MV内での使用


2020-10-03,04 Maker Faier Tokyo 2020

Maker Faire Tokyo 2020行ってきた!


2020-12-18 Maker Faire Tokyo2020終了後に撮影。本当はこの状態で展示したかった...



2021-10-02 TIPSTAR DOME CHIBAで開催されるPIST6のオープニングショー「BIRTH」







2021-10-02 「TIPSTAR TVCM|新ケイリンスタート! 篇 15"」



PIST6ツイートまとめ

PIST6でANIPOV映っているツイートまとめ

キット版

キット版のANIPOVは、販売を終了しました。
キット版はこちらから。
ANIPOV kit

製品版

ANIPOV製品版は、販売を終了しました。
製品版はこちらから。
ANIPOV製品版2013

ANIPOV2021,ANIPOV2022概要

2021に新規設計、2022もハードウェアは引き続き利用

ANIPOV本体

CPU:ESP32
回転検出:ホールセンサー
画像ROM:FlashROMx2(SPI)
再生時間:約400秒(12FPS,5200枚)
LED:HD107S
LED制御:FPGA(MachXO3)で24系統独立制御
ブレード:((HD107S x 32個) x 12本) x 両面
電源:LiFe 3セル 9,9V 1450mAh 稼働約3時間
ブラケット(ブレード、マイコン)製作:Adventurer3
ブラケット(ブレード外周)製作:CHIRON
ケーブルアセンブリ:P板.com

ESP32開発:Arduino IDE
FPGA開発:Lattice Diamond + Verilog
画像変換や書き込みアプリ開発:Delphi

赤外線リモコン

2021から赤外線リモコン追加
点灯と消灯の制御が可能
Arduino Nano Every
単三電池1本+昇圧DCDCで+5V
赤外線LEDx3
スイッチx4
7セグLED4桁
ケースはCHIRONで出力

Arduino Nano Every開発:Arduino IDE

開発・製作

基板設計:Eagle6.5
メカ設計:Fusion360
基板製造:JLCPCB
基板実装:P板.com

解説

CPU

ATMega168
電源電圧の変動に強いので、乾電池直結でいける。
開発はC++

LPC1114
なんか世の中ARMだぜみたいなのりで採用。新しいもの随時取り入れるためというのもある。
開発はC
ぶっちゃけC++使えなくなって開発自体は不便になった。
clib?だったかがでかくて入らなかったのが原因。
タイマーが32ビットなのは時間計測が凄く楽で良かった

ESP-WROOM-32
・WiFi使えるので採用した。自転車に取り付けた状態で有線接続は面倒。
・メモリが潤沢(ATMegaやLPC1114と比較すれば)
・Arduinoでの開発(今までは普通にCとかC++)
・Rev0のチップバグにかなりはまった。

LED

LEDをLEDドライバ(PWM無し)で駆動
8色しか出せない。頑張って16色くらい。
LEDをグラインダーで削ったりしてみた(光を拡散させるためと、チェーンに当たらないようにするため)

LEDをLEDドライバ(PWM)で駆動
フルカラーになった。が、データ作成が面倒になったのと、データ量が増えた。ざっと8倍。
LEDドライバがあるので、どうしてもLED基板が大きくなってしまう。

LEDをWS2812BのテープLEDへ変更
・LED基板が小さくなってかっこよく!
・WS2812Bの転送速度が遅いので、12本別駆動。そのためにFPGAを採用。
・テープLEDの固定に難儀。両面テープ固定でも気を付けないとすぐ剥がれる。
・WS2812Bは明るすぎて電流食い過ぎが弱点。が、それを補って余りある価格と小型化。

LED駆動用にFPGA Lattice MachXO2 1200を採用
・SPI→WS2812Bの変換
・1ライン分のバッファ

HD107Sに変更
・WS2812はPWM周期が遅い(400Hz)ので、PWMが見えてしまう
・HD107S周期が速い(26KHz以上)
・Global Brightnessが使える
・HD107Sはパスコン不要
・HD107Sってどこがオリジナルなんだろう(誰か知っていたら教えて下さい)
LED駆動用にFPGA Lattice MachXO2 1200を使用
・SPI1系統→12系統への振り分け

ANIPOV2021から左右別の画像表示に対応
・データ作成の手間が2倍に...。
・ROMを2個に変更(左右別表示のためにスループット向上)
・表示する時のデータパスを、
ROM→CPU→CPLD→LED
から
ROM→CPLD→LED
に変更
・(SPI1系統→12系統)を2CH

電源

単三電池x3本
・安全確実
・入手性良い
・重い

電源を無線給電に変更
・魔方陣や扇風機では採用していたが、自転車では今回初
・取付には3Dプリンタで出力したブラケットが活躍
・展示中に電池切れを気にしなくても良い!
・今回AC給電のみなので自走不可...次回は自走可能にしたい
・無線給電はSeeedの5V1Aモジュール
・回転部分の軽量化(電池は重い)
・取り付けがものすごく面倒(面合わせ、軸を通す)

無線給電は取付が面倒という事から電池に変更。
18650x2 + DCDCコンバータ(5V出力)
売ってる18650がものによって長さが違う...
正規ルートで18650購入出来ないので、品質が心配。

電池を近藤科学のLi-Feに変更
近藤科学 ROBOパワーセル F2-1450タイプ (Li-fe)を2個直列で使用
https://kondo-robot.com/product/life_f2_1450
・入手性が良い
・信頼性(18650は出処不明なのしか入手出来ない)。ロボットでがしがし動かしてるから大丈夫じゃないかという期待。
・コネクタがVH2ピンなので、基板コネクタで受電可能。ラジコンによくある端子だとケーブル接続しかできない(と思う
・2セルがあるので、2個直列にして13.2VなのでDCDCで5Vに落としやすい
・MFTokyo2020二日目9:30~18:00? パック電圧6.69V→6.44V

電源容量増やすために3セルに変更
F3-1450
3セル、9.9V、1450mAh
実運用で3時間程度点灯(表示する画像による)

消費電力

WS2812Bに変更して消費電力アップ
1LED max50mAらしいので、24灯x12本x両面⇒0.05x24x12x2=28.8A ええぇぇ...。白点灯はさけてるけど怖い…

HD107S
1個0.2W(MAX1W)ということは?
24灯x12本x両面⇒0.2Wx16x12x2=76.8W ええぇぇ...。
13Vでも5A。5Vで15Aか。DCDCが厳しいか
F2-1450のCレートは連続20C→1.45x20=29A。電池はいける...
1Wでの計算はやめとこう

固定用ブラケット

・小さい物はFlashforge Adventurer3で作成。基本安定動作するので安心。
・大物はAnycubic CHIRONで作成。400mm x 400mm x 450mmまで造形可能。

設計・開発ツール

・回路と基板設計はEAGLE Version6.6.0(Autodeskに買収される前)
・メカ設計はFusion360
・マイコンのソフトはArduino IDE(ESP32)
・PC側はDelphiで画像作成・変換・WiFi転送のアプリを作成
・CPLDはLattice DiamondでVerilog使って開発。VHDLしらないから...

主要部品入手先

・部品購入は秋月,マルツ,RSオンライン,digikey,RS,aliexpressで購入
・PCB製造はPCBgogo,PCBway,P板.com,2020の基板はFusion PCBAで実装まで
・3DプリンタはCHIRONとAdventurer3を使用
・2021年は部品入手難で苦労しました...

部品実装

手付け
いっぱいはんだ付けしたおかげで少しはんだ付けうまくなりました。

トースターリフロー
オーブントースターリフローやってみた

2020の基板はFusion PCBAで実装までやった。お金と納期はかかるが、品質は良かった。

2021(2022)の基板はP板.comで実装

ネタ

・開発開始と同時にMonkeyLight Proが発表されてやる気無くすも、当時$2,000-だったので、やっぱり作ろうと思い直す。
・最初の基板は、FETが燃えた!で、やる気無くすもMakeTokyoMeeting3をネットで見て俄然やる気を取り戻す。
・当初は自転車買おうと思って始めたのに、開発にお金使ってしまったので自転車買ったのは結局1年後だった。
・暗い夜道の通勤を楽しくしようと思って開発したのに、会社辞めたので通勤の必要無くなった。
・趣味で作っていたのだが、製品化して販売した。
・気が付けば13年も作っている(2022年9月現在)
・昔WBSのインタビューに答えたのが実現!したよね!恥ずかしくて見返したくないので再確認してないけど。(ANIPOV2021で達成)

苦労

LEDが多いので試作するときに実装が大変

手実装

捨て基板にLED位置合わせ治具作って凄く楽になった

トースターリフローするためにトースター改造
オーブントースターリフローやってみた
手実装から解放された

テープLEDにしたのでLED実装から解放された

テープLEDは固定が面倒だったので、基板にLED実装する方式に戻した。
実装サービスを利用したらちょー楽だった。(Fusion PCBA)

デバッグが大変

・回転しないと絵が出ないが、回転させるとICEつなげない。
・自転車に付けてしまうとオシロつなぐとか出来ない。一度デバッグの為だけに無線ロガーを作成した。
・自分が自転車に乗って走っても、見た目を確認出来ない。

部品代が高い

LEDを大量に使うので、部品代が高い(aliexpress購入で安くなった)

LEDブレード本数を12本とかにして増やしたので結局数が多くて...

2021年は世界的な部品供給難で、いくつかの部品の購入に苦労。
特に4ピンXHコネクタはどこにも売ってなくて、まじやばかった。2ピンのVHもぎりぎりだった...

今後の予定(妄想)

LED基板をスポークに見えるくらい細くする。
その理由はこちら↓

出展:ヤングキングアワーズ 2018年4月号「はやめブラストギア」
完結しているので、ぜひ安心して全巻読んでください。
ロードバイクバトル漫画です。

いつかそのうちスポークだけで出来るようにしたいものですw

開発年表

ANIPOV Development log

2009-04 開発開始 【ANIPOVキット revA】
2009-08 基板炎上
2009-10 MTMに向けて再開 【ANIPOVキット revB】
2009-11 MTM04にて展示(初公開)

2010-05 MTM05 自転車購入(開発開始から1年以上経過)
2010-09 MOM1【ANIPOVキット revC】
2010-11 MTM06

2011-04 基板改版 【ANIPOVキット revD】
2011-06 Badapple 【ANIPOVキット revE】
2011-10 ニコニコ技術文化祭(@東工大)
2011-11 MTM07
2011-12 【ANIPOV製品版開発開始】

2012-08 MOM2012
2012-10 NT名古屋
2012-10 Nico-tech EXPO2012(@東工大)
2012-10 NODE WORKSHOP
2012-12 MFT2012
2012-01 【ANIPOV製品版発売 】
2012-12 東京ペディション

2013-03 NT京都
2013-04 にこつく3(ニコニコ超会議2)
2013-11 MakerFaireTokyo2013【ANIPOVmini】LPC1114

2014-03 NT京都
2014-04 にこツク4(ニコニコ超会議3)
2014-08 Ogaki Mini Maker Faire
2014-10 NT名古屋
2014-11 MakerFaierTokyo2014(ビッグサイト)

2015-08 MakerFaireTokyo2015

2016-08 MakerFaireTokyo2016 【ANIPOVmax】
2016-10 NT名古屋にてANIPOVfan 【ANIPOVfan revA】
2016-12 Ogaki Mini Maker Faire2016【ANIPOVfan revB】

2017-08 Maker Faire Tokyo 2017【ANIPOVfan revB】
2017-09 NT名古屋

2018-08 Maker Faire Tokyo2018【ANIPOV2018,ANIPOV刀】ESP32,LED駆動をCPUx12
2018-10 NT名古屋
2018-12 Oogaki Mini Maker Faier2018【ANIPOV刀 mech v2】

2019-05 Maker Faire Kyoto2019 【ANIPOV刀 mech v3】
2019-08 Maker Faire Tokyo2019 【ANIPOV2019】LED駆動をFPGAx1に変更

2020-10 Maker Faire Tokyo2020 【ANIPOV2020】LEDをHD107Sに変更。電池をLi-Feに変更

2021-10-02 ショー演出に採用【ANIPOV2021】 ANIPOV2021 左右別画像表示、赤外線リモコン

2022-09-03,04 Maker Faire Tokyo2022【ANIPOV2021】WHR-500用にセットアップ

POVやバーサライタ全般

POV - Persistence Of Vision

開発日記やイベント参加

ANIPOV Development log

FAQ

Q:POVって何?
A:こちらにまとめました。
POV - Persistence Of Vision

Link

2010-05-26 gizmag Amazing bike-wheel LED art at Tokyo Make Meeting
2011-09-11 GIZMOD POVで痛自転車のホイールにネギ振りミクさんを
2011-10-24 ITmedia ネトラボ ネギ振り初音ミクが車輪に浮かび上がる! 痛自転車をニコニコ技術部文化祭で見てきた
2012-12-29 AKIBA PC Hotline! 自転車のホイールで光るアニメ、好きな絵柄を設定できるホイールLEDが近日発売
2012-12-31 ROCKET NEWS 24 EN Display Your Own Animations on Your Bicycle Wheel with ANIPOV, Goes on Sale January 2013
2013-01-01 諸国反応記 海外の反応 自転車のホイールに「好きなアニメを映せるANIPOV」への海外の反応
2013-01-24 【トレたま】車輪にアニメーション:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京

素材



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end.

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2023-03-24 09:22:16 32400