「ANIPOV」展示メモ
2017-08-05,6 Maker Faire Tokyo 2017
Suns & Moon Laboratory
http://www.s-m-l.org
twitter @mikekoma


名称
ANIPOV


これは何?
自転車のホイールにLEDを搭載して、画像や動画を表示する装置です。


なんで見えるの?
物を見たときに、短い時間目に見えたものが残る現象があります。
この現象(残像といいます)のため、LEDの点滅を素早く動かすと、大きな画像として見ることができます。

17Km/hの時、ホイール回転数は3回転/秒
LEDが4列付いているので、3回転x4列=12Hz
リフレッシュレートは12Hzになります。
※当然、走行速度によってリフレッシュレートは変化します。

展示は240RPM→4RPS→4列なので4倍→16Hz。
シャッタースピードは1/15以下がお勧めです。



開発動機
自転車を買おうと思う→ネットで自転車探す→LadyAdaのSpokePOV見つける。
特にパックマンの絵で、前輪がモンスター、後輪がパックマンのGIFアニメ、おおっと思った。
ただ、単色だったのでカラーのを作ろうと。
ついでにアニメーションしたら完璧じゃないかと妄想して開発開始。


ネタ
開発開始と同時にMonkeyLight Proが発表されてやる気無くすも、当時$2,000-だったので、やっぱり作ろうと思い直す。

最初の基板は、FETが燃えた!で、やる気無くすもMFT3をネットで見て俄然やる気を取り戻す。

当初は自転車買おうと思って始めたのに、開発にお金使ってしまったので自転車買ったのは結局1年後だった。

暗い夜道の通勤を楽しくしようと思って開発したのに、会社辞めたので通勤の必要無くなった。

趣味で作っていたのだが、製品化して販売した。

気がついたら作り始めてすでに7年も経過していた(o・д・)


苦労
試作するときに実装大変
→捨て基板にLED位置合わせ治具作って凄く楽になった

デバッグがやりづらい
回転しないと絵が出ないが、回転させるとICEつなげない。
自転車に付けてしまうとオシロつなぐとか出来ない。一度デバッグの為だけに無線ロガーを作成した。

部品代が高い
・RGBLEDを大量に使うので、部品代が高い(最近ようやく中国製をaliexpress購入で安くなった)
・基板サイズが大きいので高い。


開発

回路と基板設計はEAGLE
部品はdigikey,秋月,RS,aliexpressで購入
PCB製造はPCBCART,Fusion PCB,Elecrow,(納期厳しい時は)P板.com

CPU LPC1114
ROM 128Mbit SPI
LED RGBx24個

電源
従来は電池で給電していたのを、無線給電にした事により大幅な軽量化!やっほい。

CPUの変遷
ATmega→PIC→LPC1114
LPC1114はタイマーが32ビットなので時間計測が凄く楽。最高。

LEDドライバ
ANIPOVmini以降はPWMドライバを使用して、表示色数が一気に増えた。

消費電力
画像によるが、平均200mA~300mAくらい。当然暗い方が少ない。全白で800mAくらい。

電池
LiPoは怖いので使わない。電気用品安全法はエネルギー密度で定義している。

電池接続と供給変更で軽量化
  単三 27g * 3 * 3 = 243g ←従来方式1枚に3個で3枚
  単三 27g * 3 * 1 = 81g←新方式1枚に1個で3枚
電池だけで162g軽量化

ANIPOV製品版131g

PCB 43g x3
AA 23g x3
Cable 27g x1
total 225g

デモ機 FELT 23.4Km ANIPOVmax x6
22Km/h -> 2.7Hz -> 16FPS


製品
展示物とは違うのですが、製品版を「ANIPOV」という名前で販売しています。

取り扱いショップ
amazon  http://www.amazon.co.jp
BTOS http://btoshop.jp


今後の予定(妄想)
小径車用に小型化(24inch出来れば20inchにも搭載可能にしたい)
データ書き込みが簡単にできるようにWiFi対応
取付方法を容易にしたい
防水対応どうするか?


■開発履歴
2009-04 開発開始 【ANIPOVキット revA】
2009-08 基板炎上
2009-10 MTMに向けて再開 【ANIPOVキット revB】
2009-11 MTM04にて展示
2010-05 MTM05 自転車購入
2010-09 MOM1【ANIPOVキット revC】
2010-11 MTM06
2011-04 基板改版 【ANIPOVキット revD】
2011-06 Badapple 【ANIPOVキット revE】
2011-10 ニコニコ技術文化祭(@東工大)
2011-11 MTM07
2011-12 【ANIPOV製品版開発開始】
2012-08 MOM2012
2012-10 NT名古屋
2012-10 Nico-tech EXPO2012(@東工大)
2012-10 NODE WORKSHOP
2012-12 MFT2012
2012-01 【ANIPOV製品版発売 】
2012-12 東京ペディション
2013-03 NT京都
2013-04 にこつく3(ニコニコ超会議2)
2013-11 MakerFaireTokyo2013【ANIPOVmini】
2014-03 NT京都
2014-04 にこツク4(ニコニコ超会議3)
2014-08 Ogaki Mini Maker Faire
2014-11 MakerFaierTokyo2014(ビッグサイト)
2015-08 MakerFaireTokyo2015
2016-08 MakerFaireTokyo2016 【ANIPOVmax】
2016-10 NT名古屋にてANIPOVfan 【ANIPOVfan revA】
2016-12 Ogaki Mini Maker Faire2016【ANIPOVfan revB】
2017-08  Maker Faire Tokyo 2017【ANIPOVfan revB】